皆さんは「損切り」したことありますか?
株式投資の勉強をしていると必ず出てくる「損切り」。
持ち続けていればいつか株価が上がるかもしれないのに、どうして損を出してまで手放さないといけないの?
と疑問に感じている方も多いと思います。結論から言うと、損切りは必要です!
とはいえ、せっかく買った株を損した状態で手放すのって勇気がいりますよね。
かくいう私も損切りできるようになったのはここ最近です。そんな損切り必要性に懐疑的だった私だからこそお伝えしたい「損切りの重要性」について今回は解説したいと思います。
つい最近「京セラ(6971)」と「富士フイルムホールディングス(4901)」を損切したので、実体験も踏まえながら
- なぜ損切りが必要なのか?
- 損切りラインはどれぐらいに設定したらよいのか?
- 損切りして本当によかったのか?そのあとの株価は?
についてご紹介します。
損切りが必要な理由
まず、損切りが必要な理由は大きく2つあります。
- 損失を最小に抑えるため
- ROA(総資産利益率)を上げるため
損失を最小に抑えるため
まず一つ目が「損失を最小に抑えるため」です。そもそも買いで入る場合、「この株は上がる!」と思って株を購入していますよね。なのに、予想に反して下がってしまっている。
もはや最初の予想が外れているわけなので、「ここのあたりで下げ止まる!」なんて予想も当たるはずもありません。
下手すればどんどん下がって、購入単価の半値以下に…なんて悲劇も可能性としてあり得ます。そうなる前に損切りをして、損失を最小に抑える必要があります。
もちろん、最初の購入タイミングである程度の下げを織り込んでいたのであれば、そのまま保有してよいです。そうではなく、単純に「上がると思っていたのに下がった」のであれば、損切りすべきです。
フリマアプリでおなじみの「メルカリ(4385)」は、2023年11月14日の最高値3,446円をつけてからズルズルと下がり続け、2024年4月19日には1700.5円と最高値の半値以下となってしまいました。
引用:株探
たとえば、2023年11月14日の最高値で100株買った人がいたとして、当時の直近底値であった2023年10月31日の2886.5円ラインを割ったときに損切りできていたら。損失は56,000円で済んでいました。
ところが、「いつか上がるだろう」と希望的観測で持ち続け、2024年4月19日の底値付近で耐え切れず売却した場合、損失はなんと174,000円まで膨れ上がります。
2024年9月に2,700円台まで戻しましたが、損切りした場合と比べるとまだまだ含み損は大きいです。
このような事実を見ても「いや、自分の持っている株でそこまで大きな下落や長期の下降は起きないはず」と謎の自信を持っている方も多いと思います。私もそうだったのでよくわかります。
「メルカリのような創設して年数の浅い企業ではなく、安定した大企業の株を買っていから大丈夫」と思いますよね。
下のチャートは日産自動車(7201)のチャートです。最近、業績悪化がニュースになっていたのでご存じの方も多いと思いますが、このような大企業でも株価の大幅下落はあるということです。私は損切りをためらいそうになったら、日産のことを思い出して損切りを行うようにしています。
引用:株探
ROA(総資産利益率)を上げるため
損切りが必要な理由、もう一つは「ROA(総資産利益率)を上げるため」です。
正直、資産が潤沢にあるのであれば損切りはしなくてもいいと思います。
いくら株価が下がったとしても、配当や株主優待がある銘柄であれば持ち続けるメリットはありますし、もしかしたら株価もいつかは上がってくるかもしれない。株主優待生活でおなじみの桐谷さんも、大きな含み損を抱えた銘柄を手放さずにいくつも保有されていますよね。
一方、投資できる資産が限られている場合。利益を出せない銘柄にいつまでも投資しつづけるのはデメリットでしかありません!
たとえば、1株あたり1,000円のA銘柄を100株購入したとします。1か月後、残念ながら株価が購入時より下がってしまい、1株800円になったとします。
ここですぐに損切りをして目星をつけていた1株800円のB銘柄100株に買い替えたとします。B銘柄は直近の決算もよく、配当金アップも発表されたため、株価が購入時より+300円になりました。
早々に損切りをして買い替えたおかげで、+1万円の利益を得ることができました。あのままA銘柄を保有していたら損失がもっと大きくなっていたかもしれません。
めでたしめでたし…って、こんなうまいこといくか!と思われるかもしれないですが、損切りを検討するうえでとても重要な考え方です。
より可能性のあるほうに投資をする。「限られた資産で、いかに多くの利益を出せるか」にこだわるべきだと思います。
仕事もそうですよね。限られたリソースで、どれだけ成果を出せるか。
銘柄単位ではなく、取引全体で勝つことを意識しましょう。
損切りラインはどこ?損切りは正しかったのか?
ここからは私が直近損切りした「京セラ(6971)」と「富士フイルムホールディングス(4901)」を例に、損切りラインの決め方について紹介していきます。
京セラ(6971)でみる損切りライン
まず京セラからです。初めて買ったのは11月6日。株価は1,595円でした。10月30日に決算発表があったのですが、売上高こそ前年同期比で上がっていたものの、利益は軒並み減益でした。
なぜそのような株を買ったのかというと、チャート的に8月5日の大暴落時の株価ラインまできて底をついたと思ったことと、半導体銘柄なので業績は今後回復するだろうという期待からです。
すっごく良くない理由ですね。半導体銘柄なんてほかにも山ほどありますし、チャートも底をついた判断も時期尚早でした。
引用:株探
引用:株探
結果を言うと、上のチャートの緑の矢印のところで買って、オレンジのところで損切りしました。途中200株買い足していたので、トータル300株、22,050円の損失です。
損切りラインは1,500円で設定しました。なぜ1,500円かというと、先ほども出てきた8月5日の大暴落時に1,500円まで下げて反発していたので、それを割るようならズルズル下げるのではと思い、設定しました。
では、そのあとどうなったのか。チャートのとおり、翌日上がってます。
正直、すごく後悔しました。
「損切りタイミング早かったんじゃないか」
「そもそも損切りせずに保有しておけばよかったんじゃないか」
でもこれ、結果論でしかないんですよね。もし、翌日下げていたら
「自分の判断は正しかった。損切りしておいてよかった」
と思っていたはずです。我ながら都合いいなと思いますが、人間なんてそんなもんです。
結果的に11月15日に1,478.5円まで下げているので、1,500円での損切りは正しい判断だったと思います。
富士フイルムホールディングス(4901)でみる損切りライン
続いて富士フイルムです。11月8日に3,537円で購入しました。11月7日に発表した決算では、前年同期比売上高、営業利益ともに増収、増益でした。一方で経常利益、純利益は減益。業績面はまずまず。
引用:株探
引用:株探
チャートは決算発表で大きく下げていましたが、200日移動平均線が支持線になると判断したのと、11月8日の日足を見るとトンボの形状をしていたので「トレンド転換のサインだ!」と思い、大引間際に買いを入れました。
トンボ(とんぼ)
ローソク足で、始値と終値、高値が同じで、安値があった場合にできる、上ヒゲがなく、下ヒゲがあるT字の形状のこと。形がトンボに似ていることから名付けられました。同事線の種類のひとつです。安値圏でトンボ出現した場合は、売り買いが拮抗し始めていることを意味し、それまでの下降トレンドからの転換を暗示しているといわれています。
引用:大和証券株式会社|金融・証券用語解説
う~ん、これも判断根拠が甘いですよね。まず営業利益ですが、金額だけ見ると上がっていますが率でみると前年同期の10.1%→9.6%に下がっています。ROEも8.21%とまずまずですが、低下傾向にあります。
チャート的にも転換を確認してから買いを入れるべきでした。
引用:株探
結果、損切りは上のチャートのオレンジの矢印で実施しました。損切りラインは3,400円。
これは損切りラインを200日移動平均線にしておけばよかったと反省しています。
「せっかく買ったんだからもう少し様子を見たい」という甘さが出てしまいました。
途中100株買い足していたので、トータル200株、28,000円の損失です。
結果的にそのあともどんどん下がっていたので、タイミングは遅かったですが損切りして良かったと思います。
まとめ
損切りの大切さをご理解いただけましたでしょうか。
紹介した2銘柄の損切りラインの決め方は以下のとおりです。
- 京セラ ➡ 直近の底値を割ったら
- 富士フイルム ➡ 移動平均線を割ったら
日足や分足など表示をいろいろ変えながら、チャートを俯瞰的に見て判断してみましょう。
私もまだまだドライに判断できていませんが、「限られた資産で、最大の利益を出す」を目標に、積極的に損切りを取り入れていきましょう!
では、つぎの記事で。
コメント